糖尿病と炭水化物
糖尿病になり数値がかなり悪い状態となると、ごはんやパンなどの主食を制限されることがあります。
ごはんやパンなどに含まれる炭水化物は100%ブドウ糖に変化するため、数値がかなり悪い方は糖質制限をした方がよいと医師が判断するためです。
最近低糖質ダイエットが流行し、これが糖尿病予防につながるといわれていますが、安易に行うのは危険です。
炭水化物は人が生きていくために必要不可欠な栄養素であり、炭水化物の極端な制限は筋肉を減らす要因ともなってしまうからです。
炭水化物を極端に制限した場合、エネルギーに変換する糖質が極端に少なくなってしまいます。
すると、エネルギーを作るために筋肉を分解しアミノ酸に変換することでエネルギーを得ようとしてしまうのです。
そのため筋肉量が減少していきます。
筋肉量の減少は糖尿病の方にとって血糖値上昇の要因ともなるので、生命維持に必要な炭水化物を摂取していくことは大切なことです。
人が生きていくために必要な糖質量はエネルギーに必要な6割といわれ、少なくとも170g程度は摂取しなければならないといわれています。
このうち120gは脳に利用されるため、脳を老化させないためにも必要不可欠な栄養素です。
糖尿病と診断され、医師が数値を確認し、医師や栄養士による栄養指導の中で炭水化物についての制限をする場合、その指導に従い、定期的に検査を受けて経過をしっかり観察していくことが必要です。
特に指導がなくバランスのいい食事をと指導される場合や、糖尿病予防という観点の中では、年齢、性別に見合った炭水化物の摂取が必要です。